ご無沙汰しております。

現在「無期限活動休止中」ではありますが、今年度のいお倉の活動費決算報告と、今後の予算案を提示してみたいと思います。任意団体ですので必ずしも会計報告の義務はないのですが、著書の売り上げをもって活動費にあてている関係上、著書をご購入いただいた方にも報告することはいお倉の誠意を示すためにも必要だろうと考えたためです。(昨年室長が刊行した『笑いで歴史学を変える方法』のレビューなどを拝見していると、どうしても学者の懐に金が入るのが許せない研究者が単著の刊行でどれだけの収入を得て、どんなお金の使い方をしているのかに興味がある方がいらっしゃるようでもあり、なんかそういう方々に誤解されるのが怖いためでもあります)

大前提として、いお倉の活動費は基本的に室長及び顧問の先生方の私費で賄っております。主な経費はサーバー代とドメイン代です。原稿料が入った場合は、全て活動費に投入しています。初年度と2年目は、室長の所属学科の活動として宣伝していただいておりました関係から、サーバー代・ドメイン代は研究費で支出しましたが、それ以外の費用約8万円は全て私費で工面しました。

経費としては、初年度は走り出しのためにチラシの印刷費、『日本歴史』誌上への広告費、チラシ送付用の通信費、学生バイト代がかかりましたが、これは2年目以降不要になりましたので、経費はサーバー代とドメイン代のみで計算しております。

他雑誌さんなどを拝見していると、会費や寄付金とかクラファン的なもので活動費を賄っているところも多いのですが、会費をとると毎年必ず刊行しなければならなくなります。いお倉はあくまで余裕時間で余裕のある心持でやるべきものと心得ておりますので、あまり活動のために縛られるのは本旨に背くと考えるものでございます。寄付金やクラファンなどは、何のメリットがあるかわからないいお倉みたいな活動にお金くれる人のことがちょっと意味わからなさ過ぎて怖い室長の一存で一切やらないことにしています。タダより高いものはないですからね、ホントに。

なお、初年度のサーバー代は15,714円/年、ドメイン代は2,614円/年だったのですが、2年目からサーバー代は17,160円/年、ドメイン代は2,790円/年に値上がりしましたので、今後もどんどん値上がりしていくことが予想されますが、ひとまず現時点での価格据え置きの場合と仮定して計算しておりますので、予算見通しは実際にはもっと悲観的なものとご理解ください。

では、まずR6年度決算から報告してまいります。

※会計年度は4月1日~3月31日です。初年度は6月に創刊準備室起ち上げの公式発表でしたが、活動自体は4月から始まっています。

(収入)

印税      374,215円 

印税(電子)   17,086円

 ※著者である室長に支払われた後、室長の私費としていお倉活動費に補填した形

計       391,301円   (意外と少ないでしょう?たぶん売れっ子の先生方の本はもっとあると思いますが、室長程度ではこのくらいなもんです)

(支出)

献本費等    138,920円

 ※著書買い取り代金、発送費ほか

差引      252,381円

なお、活動に際して初年度に顧問の先生方から出資金35,000円をいただいておりましたが、印税が入ったタイミングで返金するとお伝えしましたところいずれも辞退されましたので、今年度決算には表れておりません。お心遣い痛み入ります。

さて、この252,381円を原資として、今後サーバー代17,160円/年とドメイン代2,790円/年を捻出していった場合、何年でマイナスになるかというと、

令和18年度

あと10年です。けっこう余裕がないってことが伝わりますでしょうか…

そしてこれはあくまで、サーバー代・ドメイン代ともに据置の場合の試算なので、当然今後も年々値上がりすると予想されるため、想定より早くWEBサイトが維持できなくなると思われます。

いお倉の活動自体は現在休止中ではございますが、顧問の先生方とは定期的に話し合いの場を設けており、いつかは何らかの形で再び成果を世に問いたいと考えているところでございますので、WEBサイト自体は今後も公開し続けなければなりません。

したがって、新たな収入の道を見つけるか、現在のWEBサイトを半永久的に残す何らかの方法を模索しなければならないことになります。

前者の方法としては、原資の運用が考えられますが、毎年のサーバー代・ドメイン代を賄うほどの利益は見込めませんし、損失が出る場合も考えられるのであまり良策ではなさそうです。新たに本を描く方法ですが、室長が新たに一般向け著作を書くことをかたくなに拒んでおりますのでこれもあまりありえない選択かと思われます。

そこで後者が現実的な選択ということになるのですが、記録媒体としての持続性を考えた場合、石板にするのが最良ですので、現在協力してくれそうな石材会社さんを探しているところです。

ただその場合、このWEBサイトの膨大な情報を全て石板にしようと思うと、原資などは一瞬で溶けてしまうので悩ましいところではあります。ただ、WEBサイトの維持と引き換えにいお倉が3万年の命を得ることを考えれば安いことかもしれません。

このほかにも、石板にするとかなりのかさになりますので、その保存場所も考えなければなりません。地中に埋めて後世の考古学者に発見してもらうのが理想的ではありますが、私人がものを埋設できる場所というのは限られていますので、なかなかこれも悩ましいところです。

ひとまず、R6年度の決算報告と今後の予算を提示しました。

基本的に、ふつうの大学教員は本でそんなにお小遣い稼ぎはできません(この辺りにわかりやすくまとまっていますのでご参照ください:https://third-seminar.com/textbooks-and-royalties/374/#i-0)。出版社の印税率とか人文書の出版部数とかの少なさを知ってる人にはだいたいご理解いただけるのですが、ふつうの方はあまりこの辺をご存じないと思いますので、「大学教員は本でお小遣い稼ぎをしているんだろう」とか思われてしまいます。室長はこれまでに学術書(印税なし、出版助成と持出しで出版)しか書いたことがありません。一般向けの新書もこれっきりにする関係から、今後は本で収入を得ることはないと思いますので、どうかご安心ください。

ちなみにアイキャッチ画像は、AIに描いてもらった「第2回総選挙の際に下僚たちと各地の選挙情勢について私邸で談義する品川弥二郎」なのですが、なんか森鴎外みたいだし、よく見ると一番左端の人の方がやじっぽいし、ていうかかなりやじだし、ウン、これは「第2回総選挙の際に、下僚たちと各地の選挙情勢について私邸で談義するつもりが、森リンがやってきてなんかいつのまにか主役乗っ取られた感ある品川弥二郎」ですわ。季節感は結構いい線いってるのではないでしょうか(ちゃんと指示したから…)。

Categories:

Tags:

Comments are closed