本誌創刊のきっかけとなった論文たちを①で紹介しております。当初はもちろん「一瞬笑えて、後からジワジワ考えさせられる」を創刊するなどつゆほども思っていなかったので、単純にタイトルだけを見て「学生たちも面白がって読んでくれそう」と直感的に判断したものだけを取り上げています。
その後、本誌のイメージがうっすらと見えて来た頃に読んだサンキュータツオ氏の名著にて紹介されていた論文を②、③で列挙しております。
本誌に投稿をお考えの皆様にご活用いただけましたら幸いです。
⓪Office Iocularisの仲間たちのお仕事
池田さなえ「明治期政治家書簡における署名・一人称表記―品川弥二郎における「やじ」の分析―」(『日本歴史』915号、2024年)
☚いお倉の実践編です。
池田さなえ『笑いで歴史学を変える方法 歴史初心者からアカデミアまで』(星海社、2024年8月27日発売予定)
☚いお倉の理論編です。
①2022年度大手前大学池田ゼミ(春学期)にて輪読した論文一覧
高嶋修一「明治の兎バブル」(『青山經濟論集』64‐4、2013年)
高井昌吏「高校野球部マネージャーの系譜―男子マネから女子マネへ―」(白川哲夫・谷川穣編著 『「甲子園」の眺め方―歴史としての高校野球』小さ子社、2018年)
西原茂樹「甲子園大会の「国民行事」化―一九七〇年代における新聞・雑誌報道の変容―」(前掲『「甲子園」の眺め方―歴史としての高校野球』)
岩井茂樹「「笑う写真」の誕生 : 雑誌『ニコニコ』の役割」(『日本研究』61、2020年)
茂木謙之介・大道晴香「〈怪異〉からみる二・二六事件―北一輝と対馬勝雄におけるオカルト的想像力」(茂木謙之介・小松史生子・副田賢二・松下浩幸編著『〈怪異〉とナショナリズム』青弓社、2021年)
茂木謙之介「“オカルト天皇(制)”論序説―一九八〇年代雑誌「ムー」の分析から」(前掲『〈怪異〉とナショナリズム』)
井関大介「井上円了の妖怪学と天皇神話」(前掲『〈怪異〉とナショナリズム』)
浦田正吉「明治四十二年の相撲取り吉野山による博徒殺人事件―明治後期の社会問題「博徒」の一端について―」(『富山史檀』195、2021年)
佐藤英達「藤田組贋札事件」(佐藤英達『藤田組の発展 その虚実』三恵社、2008年)
刑部芳則「鹿鳴館時代の女子華族と洋装化」(『風俗史学』37、2007年)
三澤純「散髪令考」(『文学部論叢』74、2002年)
平山昇「関西私鉄・国鉄と「聖地」参拝 ―娯楽とナショナリズムの交錯―」(『歴史地理学』57‐1、2015年)
②サンキュータツオ『ヘンな論文』(角川学芸出版、2015年)にて紹介されている論文
飯倉義之「奇人論序説―あのころは「河原町のジュリー」がいた―」(『世間話研究』第14号、2004年)
小林茂雄・津田智史「傾斜面に着座するカップルに求められる他者との距離」(『日本建築学会環境系論文集』第615号、2007年)
松本健輔「婚外恋愛継続時における男性の恋愛関係安定化意味付け作業―グランデッド・セオリー・アプローチによる理論生成―」(『立命館人間科学研究』21、2010年)
本多明夫・大原貴弘「行動伝染の研究動向 あくびはなぜうつるのか」『いわき明星大学人文学研究紀要』22、2009年)
塚本浩司「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化」(『物理教育』第55巻第4号、2007年)
白井裕子「男子生徒の出現で女子高生の外見はどう変わったか―母校・県立女子高校の共学化を目の当たりにして―」(『女性学研究』第27号、2006年)
今野洋子・尾形良子「大学祭における「猫カフェ」の効果―「猫カフェ」体験型のAAE(動物介在教育)が来場者に及ぼす影響―」(『北翔大学北方圏学術情報センター年報』2008年)
中村太戯留「隠喩的表現において“面白さ”を感じるメカニズム」(『心理学研究』第80巻第1号、2009年)
永田順也・藤本淳也・松岡宏高「オリックス・バファローズのスタジアム観戦者の特性に関する研究―元大阪近鉄バファローズファンと元オリックス・ブルーウェーブファンに注目して―」(『大阪体育大学紀要』第38巻、2007年)
下家由起子「現代に生きるマゲⅢ~大相撲現役床山アンケートから~」(『山野研究紀要』第16号、2008年)
乾伸雄・品野勇二・鴻池祐輔・小谷善行「最長しりとり問題の解法」(『情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用』Vol. 46、2005年)
阿部和代・黒川隆夫「走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの特性」(『日本家政学会誌』56Vo. 6、2005年)
伊藤紀之「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察Ⅰ」(『共立女子大学 家政学部紀要』第53号、2007年)
③サンキュータツオ『もっとヘンな論文』(KADOKAWA、2020年)にて紹介されている論文
向井裕美子「プロ野球選手と結婚するための方法論に関する研究」(明治学院大学卒業論文、2008年)
三柴友太「「追いかけてくるもの」研究―諸相と変容―」(『昔話伝説研究』第29号、2009年)
吉川純子「縄文時代におけるクリ果実の大きさの変化」(『植生史研究』第18巻第2号、2011年)
東崎雅樹「竹取の翁の年齢について」(神戸学院大学人文学部 卒業論文、2012年)
吉田可奈子・福田亮子「男女の下着の嗜好性と印象の評価」(日本人間工学会第49回大会報告、2008年)
和田実「デート中の性行動の期待と正当性についての男女の認識差―デートの誘いとデート内容が及ぼす影響―」(『思春期学』第25巻第1号、2007年)
佐々木正人「「起き上がるカブトムシ」の観察―環境‐行為系の創発」(『質的心理学研究』第710号、2011年)
寄藤晶子「曖昧さが残る場所―競艇場のエスノグラフィー―」(『現代風俗学研究』第13号、2007年)
大門正幸「「過去生の記憶」を持つ子供について―日本人児童の事例―」(『人体科学』Vol. 20、2011年)
石井公二「片手袋研究」(「片手袋大全」WEBサイト)
村田一真「メロスの全力を検証」(理数教育研究所Rinse主催、根上生也監修『数学の自由研究(全2巻)―第1回作品コンクール優秀作品集』文研出版、2014年)
有馬義貴ほか「マンガの社会学:鍼灸・柔道整復の社会認知」(『健康プロデュース雑誌』第6巻第1号、2012年)
池間里代子「花札の図像学的考察」(『流通経済大学 社会学部論叢』第19巻第2号、2009年)
山田廸生「「坊っちゃん」と瀬戸内航路」(『海事史研究』第66号、2009年)